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神戸・三宮

親父が生前「神戸はいいど〜」って言ってた。
出張の多い仕事だった親父の口からよく
「芦屋」とか「西宮」とか「三宮」とかの
地名が出てたのををよく憶えてる。
でもこっちは子供だったから「ふ〜ん。。」ぐらいなもんで。
多分、好きな街だったのだろう。

初めて訪れる三宮の街。
駅前も賑やか。飲み屋もいっぱい。
ピンク街もちゃんと一角に収まってる。
観光地らしく街並もちゃんと計算されてる感じがした。

「山がある方が北。海は南。」
地元の人が言うのだから分かりやすい。

宿に向かう途中にふと思った。
どこかに似てるこの感じ。なんだろこの感じ。
賑やかな街なのに山が目の前にあって
霧がかかってて。おまけに暑いし。

西表だ。西表島の祖納。
、、、。

そんな訳ねーだろと思いながら山を見ながら坂を登る。
だいたい西表島にビルなんかある訳無いし電車なんて言語道断。
俺はこの暑さでちょっと頭がおかしくなってるんじゃないのか
とさえ思った。

汗を拭きながらふと思った。
親父の故郷は西表島の祖納。
中学まで西表にいた。
もしかしたら、ホントにもしかしたら。
三宮のこの風景がとても好きだったんではないか。
故郷と重ね合わせてたのではないのか。
、、、。

そんな訳ねーだろと思いながらギターを背負ってキャリーケース
ひきずってリュック肩に掛けて。
「なんだよ、ここまで来て歩道橋のぼんのか!」って。
「おいおい!」って。

異国情緒の街。異国の方々と何度もすれ違う。
濃いヒゲ面、見事な腕毛。やけた肌。
だんだん、だんだん西表の人に見えて来た。


あー、俺も終わったなと思いながら、、。



その昔、親父も同じ様にここの風景を見たのかなぁ。
この風景と街並を見て「いいど〜」って言ってたのかなぁ。

ギターを背負っていなかったけれど
五人の子供を背負って頑張って仕事しに来てたのかなぁ。

なんか炎天下の歩道橋の上でぼーっとしてしまった。
by komikenji | 2011-07-04 18:27